ここ1週間くらいに、空から魚やらおたまじゃくしやらが降って来た、というニュースが数件続いた。気になる人はヤフーニュースでもなんでもいいから探してみるといい。こういう話を聞くたびに『海辺のカフカ』を思い出すのだが、どうやら数はそう多くないとのこと。
原因としては、竜巻によって運ばれたり、飲み込んだ鳥類が驚いて吐き出したりしたものが降ってくるようだ。
そういえば、今1Q84の上巻を読み終わった。
下巻はまだ買ってないので今日にでも買おうかと思う。上巻だけで500ページを超えるので、本屋でそれを買うとき、上下巻の2冊を持って「うむ、重いな。。。」と思って一度手にした下巻をもう一度棚に戻したのは今から2週間くらい前のことだっただろうか。
毎日ちょっとずつ読んでいて昨日読み終わったのだが、とりあえず今のところ、「下巻も買ってみよう」と思っている。ストーリーは多少滑稽で、おいおいそれは出来すぎだろ、と思うようなところもるのだが(村上春樹お得意の「現実世界中での非現実感」も満載)、登場人物の心理描写は相変わらず素晴らしいなぁと思います。主人公は3人称で書かれている。結構、1人称「僕」を良く使うイメージ(?)だったけど、「彼」、「彼女」が使われてた。
さらに芸術文化における知識レベルも相変わらずすごく、音楽、映画、文学、多岐にわたって様々なものが引用されている。小説の中で登場したとある曲が収められているCDは「過去20年間での売り上げに等しい枚数をこの2週間で売り上げた」ほどらしい。
と、ここまで下巻、下巻と言っているが、実は、【下巻】という表現は正しくないようだ。
上巻だと思っていた本の表紙には、どこにも【上巻】とは書いてない。
じゃあ何て書いてあるかと言うと、
【BOOK1 <4月~6月> 】
と書かれている。
おそらく2冊目は【BOOK2 <7月~9月>】
なのでしょうかね。
これによって、すでにネットでは、「続編が出るのではないか?」などという声も出ているらしい。
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スピーカーからはノラ・ジョーンズの『ドント ノウ ホワイ』が流れている。彼女は朝から僕がパンクやらロックやら聞くのを極端に嫌う傾向があるのを僕は経験から知っている。
「今日の選曲は朝らしくていいわ」
彼女は鏡に視線を向け、髪型を整えながらそう言った。
髪質がそうなのかはたまた寝相が悪いのか、もしくはその両方なのか原因は僕には判断しかねるが、朝起きると彼女の髪型はいつも前衛的なウェーブがかかっている。髪の毛一本一本に自我が芽生えているかのように、それぞれが自分の意思で四方八方に自らの毛先をくねらせていた。
「素晴らしい髪形だね。」
「そうなの。今、南青山ではこういう髪型が流行っているのよ」
彼女は相変わらず僕には目を向けず鏡に向かいながらそう言った。
「なるほど、朝の6時にしては素晴らしい答えだ。昼間の僕ならそれに対してもう少しマシな返答が出来るはずなんだけど、今は残念ながら頭がうまく働かないみたいだ。」
僕はパソコンの前に座ったまま彼女の後姿を見ながら、彼女に聞こえるか聞こえないかの声量でそう呟いて、今日1本目のタバコに火をつけた。
(村上春樹風、一時間前の僕の描写でした。)