number0のライブに行ってきた。

「昨日はKyteのライブ@恵比寿Liquid Roomに行って来た。」

当前、KyteのJapan tourなので、「Kyteのライブに行って来た」という表現が昨夜Liquid Roomで溢れ出る音に身を預けた凡そ1000人の人間たちには一般的なのだろうけど、個人的フォーカスはオープニングアクトであるものの、「number0がLiquidで演奏する」というものを観て、聴いて、魅せられるため、だったので、素直にこの投稿のタイトルは「number0のライブに行ってきた」とすることにした。

まずはKyte。ステージ後方から前方に向かう逆光の黄緑がかった照明の中に浮かび上がるメンバー達を、最後列に立つ僕は人と人の頭の隙間、隙間から目視する。
シンセ&ギター、ベース、ドラムの肉体派に囲まれるヒョロッしたボーカルのニックから出てくる乾いた中にも力のあるボーカルが(髪をクシャクシャするのが)魅力的。CDでしか聴いたことの無かった音楽がリアルで聞ける喜びはあるものの「ライブ感」という意味では、もう少し野性的な感覚が欲しかった気もした。演奏は全体的に綺麗にまとまっていた印象を受ける。それはきっと僕が彼らの演奏を生で聴くのが初めてだったのも少なくない影響を受けている気もするので、次回また来日することがあればきっと違った印象で満たしてくれるような気がする。

で、number0。

Set Listは、
1:Cyclorama
2:Etoile
3:RoundRound
4:Quine
5:In the womb
だったかな。なんか一個足りない気もするが、それはまぁわかり次第訂正することにしよう。

僕は友人達と前から5列目?くらい若干右寄。会場はほぼ満員と言っていいだろう。ステージ上にサンプリングパッドが置かれているので、とnumber0ファンの人なら「まさかあの曲をやるのか」という期待を持ったことだろう。

Kyteのオープニングアクトという前代未聞の重責を負い、且つ、過去最大規模の箱でしかもどことなくアウェイの雰囲気の中ステージ上手から登場。東京でのnumber0のライブに行けば、今までは知っている顔をチラホラ見かけ、ライブの度に知り合いが増えたりするのが常だった。ライブ会場という場所には似つかわしくない「憩いの場」的な役割を担っていたのかもしれない。だが今回は違った。おそらくnumber0を知らない人が多数派で、シガーさんのMCに茶々を入れる空気なんてさらさら無い。そんな会場で彼らがどんなパフォーマンスを披露してくれるのか、どこか初めて子供の学芸会を見守る親の緊張感(そんな経験は無いけど、おそらく。)にも似たような心持ちで19時、開演を迎えた。

いつものようにプロジェクターからの映像をステージに当てるという演出だったが、バックを含めステージが全体的に黒だったので、効果はいつもに比べ今ひとつ。メンバー全員が白装束で演奏すれば少しは変わったかもしれない。

演奏は出だし少しフワっとした印象を受ける。シガーさんの声が震える。緊張感が否が応に伝わってくる。流れるように3曲。お客さんの大きな拍手が聞こえる。Quineの大好きなアルペジオの旋律。藤井のスティックが上下左右に流れて、小林さんの右手がair synthの上で上下し、ソーキくんの首が左右に動く。RoundRoundが始まる。鳥肌が立った。少し泣きそうにもなった。曲はInthewombに入った。今ではお馴染みの最後の曲だ。重低音だが優しい出だし。藤井のスティックが変わり、中盤以降からドラムのピッチが上がり、それぞれの音圧が増して行き、ピークが過ぎ、音は収縮し、元ある所に帰っていく。大きな拍があり、あっという間に30分が終わった。脱力した。

演奏後、一旦メインフロアを離れてタバコを吸いに行く。そうしないといけなかった。このままの流れでKyteを聴くには、僕も、おそらく僕の横にいた知人の2人も余りに疲れていた。そしてその30分間を振り返るにも、たいして覚えていなかった。あっという間の30分だった。演奏終了直後、真後ろのお客さんが、

「オープニングアクトどうだった?」
「結構良かったんじゃない?というか日本人だったんだな」

という話をしていたのがすごく記憶に残っている。

演奏後に昔のRalleyに入る前からのnumber0をよく知る友人と話していて「昔はさ、お客さんが10人くらいの頃もあった」という話をして、それから「小林さんがギターを弾いていた」「藤井はボウズだった」なんて話まで出た。

今日は大阪でのツアー二つめの演奏が待っているらしい。きっと東京以上のアウェイだろうけど、そんな会場がnumber0には合うのかもしれない、そんなことを初めて思ったライブだった。

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